ネットショップでの買い物も年々増えてきていますね。
ネットショップでの買い物が増えると同時に、それに伴うトラブルも増えているようです。
トラブルを避けるうえでも、関係する法律のちょっとした知識を身に着けておきたいものです。
今回はそんなネットショップでの売買契約の成立について説明していきましょう。
そもそも、物を買ったり、売ったりするには物を売る側と買う側の契約によって成り立っています。
契約は、買いたい人の申し込みと、売る側の承諾という意思表示が合致することで成立しますから、特に契約書を作成しなくても、有効に成立することができます。
それでは、インターネットで買い物をする場合では、どのような行為が申し込みと承諾になるのでしょうか。
ネットショップではショップページでいろんな商品が画面上に掲載されており、そのなかから自分が買いたい商品を選んで、商品の詳細を画面上で確認することになりますよね。
もちろんこのただ見てるだけでは申し込みにならないことは当然です。
実店舗でいうとただ商品を手に取って見ているだけの状態です。
そして、ネットの場合は注文画面にすすみ、購入者の名前や住所、連絡先などを入力して店舗に送信します。
この注文内容を入力して送信することが契約でいう申し込みにあたります。
その後、申し込みを受けた店舗から注文を受けたとの電子メールが送信されてくるものだと思いますが、その注文を受けたとするメールを送信する行為が契約にいう承諾にあたります。
この注文者の申し込みと、店舗の承諾の合致したときが契約の成立時になるのです。
もしも、注文を受けた店舗から承諾の通知のメールが届かずに、商品が直接郵送されてきた場合はどうでしょうか?
店舗側は申し込みを受けたことで、商品を発送しているのですから、このような場合はメールが届いていなくても、商品の発送自体が承諾の意思表示といえますから、発送の時点で契約が成立することになります。
それでは、発送もまだの段階ではどうでしょうか。
インターネットでの売買などに用いられる、電子消費者契約法という法律では、インターネット契約では電子メールによる承諾の意思表示が消費者に届かなければ、契約は成立しないとされています。
そのため、店舗が受注した電子メールを消費者むけに発信するだけでは、契約は成立しません。
通常、注文を受けた店舗からの連絡が、消費者の支配圏内に入り、いつでも読める状態になったときに承諾の意思表示が届いたとされています。
郵便物の場合だと、郵便受けに届けられた時点で、インターネットの場合はメールサーバに届いた時点が承諾の意思表示を受けたとすることが有力だと言われています。
その届いた文書やメールなどの通知が、実際に読んだかどうかは問われません。
契約が成立した場合は、注文した消費者に代金の支払い義務が生じてしまいますので、この契約の成立時はよく確認しておきましょう。
ところで、ネットショップなどの取引方法は、直接売主と面談したり、電話などの接触をしない方法での取引となります。
このような取引は、特定商取引法で適切な表示の仕方など、消費者が誤って購入することがないように、法により規制されています。
ネットショップなどでは、パソコンの画面が分かりにくく間違えて注文をしてしまう場合もありますので、監督官庁は業者に対して消費者が意に反した申し込みをしないように、適切な表示を義務づけており、表示の修正を命じることができるとされています。
また、ネットショップで買い物をするうえで注意しておくべきことは、インターネット取引を含めて、通信販売ではクーリングオフ制度は設けられていないことです。
なぜクーリングオフ制度が設けられていないかというと、訪問販売などでは消費者が販売業者から圧力や不当な影響力を受けがちですので、一定の条件下で契約の撤回を認めて消費者を契約から解放します。
それに対して、インターネット取引などでは、消費者は広告を見て判断しますので、圧力などを受けず、自由に意思決定ができますので、クーリングオフ制度は設けられていないのです。
したがって、ネットショップなどで買い物をする場合は、その店舗の買い物ガイドなどで、返品や返金などについてどのように規定されているのかをよく見てから買い物をすることが大切ですね。